都内動物園

緊急通報システム導入

文化施設・レジャー施設

計装の仕事のひとつに、セキュリティという分野がある。関東地方の某動物園に導入した脱出警報装置もそのひとつ。ユニークな事案であることに加え、オープン制御ネットワークシステム(Lon Works)と汎用機器を組み合わせ、効率的なシステムに仕上がっているのも特徴だ。

 

ワイヤレスでの警報システム。

 

「この動物園は年間入園者数が300万人を越える日本有数の動物園です。従来この動物園では、飼育スタッフの非常時用に押しボタン式の警報システムを導入していました。ボタンを押すと電光板が発報するという、いってみればナースコールに似たシステムです。ただ現実問題として、猛獣に襲われたときに押しボタンのところまで逃げられるかどうか……。そこでワイヤレスで実現できないかと打診がありました」(営業担当者)

 

ではどのような警報システムを構築したのだろう。

 

「このオファーは設計事務所経由のものでしたので、設計段階から参画しました。当初は衛星通信やGPSを検討していたようですが、それではコストがかかりすぎるので無線方式を提案しました。各動物舎に受信機を設置し、飼育スタッフの皆さんにペンダント式の発信器を装着してもらいます。発信器には個別コードが割り当ててあるので、発報すると『誰が』『どこで』緊急発信したのかがわかるという仕組みです」(営業担当者)

 

オープン制御ネットワークシステムを利用したということだが。

 

「センターと各動物舎の受信機をLon Works用ケーブルでつないでいます。実は動物園側から発報状況を画面で見たいというニーズがあり、それを実現するためにパソコンを用いています。インターネット閲覧用のウェブブラウザに園内のイラスト画面を出し、アラート時は受信エリアが赤く点滅して発信者の名前を表示します。Lon Worksだとパソコンのような汎用機器が使えるので、柔軟なシステム構築が可能です。また、ペンダント型発信器も既製品を少しカスタマイズしたものです。汎用機器にLon Worksを組み込むことにより、お客様のニーズに応えることができました。」(営業担当者)