SeeVAS

SeeVASで実現!
エネルギー20%削減のしくみ

省エネルギーの「正攻法」に正面から取り組む

これまでの省エネは、在室者の我慢や高効率機器の導入などにより行われてきました。しかし、我慢の省エネは執務環境の快適性を損なうため、生産性低下などのリスクにつながります。また、高効率機器の導入には多額の資金が必要で、投資回収に時間がかかるといったデメリットがありました。
変わって、「省エネ法」や省エネルギーセンターが紹介する「エコチューニング」などの省エネ手法は、室内環境の悪化の可能性や大きな設備投資の必要がなく、実行できれば大きな省エネ効果を得られる、いわば「正攻法」の省エネ手法です。ただしこうした手法の実現には知識と手間が必要となるため、あまり行われてきませんでした。
SeeVASでは、実現が難しかったこの「正攻法」の省エネ手法を徹底的に、確実に実行します。
では実際に、どのような仕組みでこの省エネ手法を実行するのか、具体例を示しながら解説いたします。

SeeVASの省エネ手法(例)

SeeVASの省エネ手法(例)

管理標準の作成と自動運用

管理標準とは、エネルギー管理のためのマニュアルのことです。省エネ法では、すべての事業者は経済産業大臣が交付する「判断基準」に基づき「管理標準」を定め、これによりエネルギーの合理化に努めることが義務付けられています。つまり「管理標準」は、エネルギー管理を行う指針となるものであり、省エネのために必須の重要な基準でもあるのです。
しかし、管理標準は定めなければならない項目が多く、適切に定めるには専門的で幅広い知識が必要です。また、正しく定められたとしても、エネルギー管理技術者が建物内に数多く存在するすべての機器について、管理標準を守って運用するのは困難です。このため、実際には作成された管理標準自体の精度の問題や、運用の際に順守されていない場合もあります。
SeeVASでは計装エキスパートがこれまでの知見を活かして建物ごとに管理標準を作成し、エネルギー管理のルールを作ります。そして、AIユニットがその管理標準を確実に守り、自動で運用します。それにより「管理標準作成」と「運用」両方の問題の解決につながります。

AIユニットが空調システムを自動的に最適に運用

SeeVASによる省エネの肝となるのがAIユニットによるシミュレーション計算と自動運用機能です。
AIユニットは前日の夜に取得した気象予報データから1日の熱源需要を予測し、予測した需要を満たしかつ最も効率のいい空調システムの運用パターンをシミュレーション計算します。
そして当日、中央監視装置から得たリアルタイムの機器の運用データや実際の外気条件などから、最も効率のよい運用方法をAIが総合的に判断し、機器のオン/オフや設定変更を1時間ごとに自動的に行います。
例えば、真夏の最高気温が35℃を超えるような日は、チラーが製造する冷水温度を7℃と設定し複数台のチラーを運転しますが、最高気温が28℃の日には冷水温度を少し高めの9℃に設定しかつ運転台数を減らして高負荷で運転することにより高効率で運転します。また、その時に運転するチラーやポンプは、普段から取得しているCOP(機器効率)のデータから最も効率のよいものを選択します。さらに、冷却水についても設定温度を真夏より低くすることでチラーを効率よく運転します。
SeeVASでは刻々と変化する熱源需要を、前日に取得した気象予報データとリアルタイムの外気と室内の温湿度データから1時間ごとに計算し、需要に合わせて空調システムの運転操作・設定温度の変更を行います。

熱源機運転シミュレーション 3〜18%の省エネを見込みます

SeeVAS運用動作デモ

メンテナンスの必要な機器をナビゲーション

経年によりCOP(機器効率)が納入時より劣化している機器は、エネルギーロスが大きくなります。SeeVASではCOPを常時監視して、基準値を下回っている時には設備管理者にナビメッセージを表示し、メンテナンスの必要性をお伝えします。機器の劣化状況に応じたメンテナンスを行うことでエネルギーロスを最小限にとどめます。

快適性と省エネルギーの両立

一般に、冷房時の空調設備の省エネといえば、温度設定を一律28℃に設定するというようなものがほとんどでした。このような一括の空調設定は在室者の体調や好みに合わせて変更することができず、在室者に我慢を強いていました。これでは執務環境の悪化により生産性の低下などを招き、業務に支障をきたす恐れがあります。
確かに、室内の空調温度設定を1℃上げると10%程度の熱負荷を削減することができるため、省エネ効果は大きいのですが、省エネと快適性の両立は長年の課題となっています。
SeeVASでは、細かな設定温度の変更とAIの機能の2つでこの課題を解決いたします。室内の空調設定については、外気温の変化等に連動して1時間ごとに設定値の変更を行います。またSeeVASは、居心地の良い室内空間を実現するために、在室者の室内環境の好みをAIユニットが学習して、快適な空間を作りながらムダな運転を減らします。

給気設定温度 3〜10%の省エネを見込みます

エコチューニングによるエネルギーロスの改善

エコチューニングとは、「現実の『建物の使われ方の変化に合わせた調整』によって建物の省エネルギーを推進すること」と省エネルギーセンターは定義しています。
建物は竣工時、試運転調整が行われ施主に引き渡されますが、このときの調整は設計条件によるピーク負荷を想定して設定されています。建物の持つ特性は建物ごとに異なっており、実際の建物の特性や機器の運用状況などに基づき調整(=エコチューニング)を行う必要があります(出典:(一財)省エネルギーセンター「省エネチューニングガイドブック」)。
SeeVASでは計装エキスパートが空調機運転時間の調整やポンプのインバータ制御・吐出圧力、ファンの運転時間やボイラの空気比など、細かなところまで調整を行います。