企業理念
ステークホルダーの裕な幸せの持続的向上
1963年に創業した当社は、当社に関わる全ての関係者や社会・環境と共に、創業者が後世に残したいと願う価値である「裕な幸せ」を、外部環境の変化に左右されることなく、持続的に向上させていきます。
また一方で、現状改善型アプローチでは対処できない、様々な環境変化・多様性・異なる思想に対し、常にアンテナを高く張り、能動的に受け入れ、融合さていく姿勢も、持続的向上には不可欠です。
詳細を大きく「ステークホルダー」「裕な幸せ」「持続的向上」という
3つの言葉に分けて説明していきます。
1 ステークホルダー
まずは「ステークホルダー」ですが、これは裕幸計装に関わる全ての関係者や社会・環境の事を指します。
この図では便宜上、当社に関わる代表的なステークホルダーを、6つに絞って表現しています。
当社を中心としたチームのようなイメージであり、ステークホルダー間の利益配分なども含めたかじ取りを、社長を始めとした経営陣が担っています。
通常、ステークホルダーというと、債権者である銀行なども含めて表現されますが、現在当社は無借金経営を維持する方針であるため、あえて記載していません。
現状何らかの取引がある銀行などは、金融サービスなどを仕入れるという意味から、仕入先の中に含んで考えています。
▶ 当社の考えるステークホルダー
- (1) 従業員
- 当社で働く従業員(潜在的な従業員も含む)を指します。従業員は、当社を支える中心的な存在であり、その成長や満足度を高めることが、企業全体の成長にもつながると考えています。
- (2) 仕入れ先
- 協力業者や自動制御機器メーカー、盤製造業者、材料問屋など、当社に資材やサービスを提供するすべての企業や個人を指します。仕入れ先は、当社の事業活動を支える重要なパートナーであり、信頼関係を築きながら共に成長していくことを目指しています。
- (3) 顧客
- 当社の主要顧客には、サブコン、ゼネコン、設計事務所、ビル管理会社、施主、エンジ会社など、主に当社の上流側に位置する企業が含まれます。顧客との信頼関係を基盤に、ニーズに応える価値あるサービスの提供を心がけています。
- (4) 業界
- 中核事業ではビル計装業界全体を指します。具体的には、同業の企業です。成熟市場においては競争相手となることもありますが、業界全体を活性化し成長市場へと変えるためには、共にイノベーションを推進するパートナーとして協力し合うことが重要だと考えています。
- (5) 株主
- 当社の株主は主に創業家で構成されています。現在のところ、外部からの資金調達は考えておらず、毎年の利益を糧として持続的に成長していく予定です。
- (6) 社会
- ここで言う「社会」には、地域社会、地球環境、日本など、非常に広い範囲が含まれます。たとえば、税金を納め公共サービスを利用することも、社会との重要な関わりの一部です。また、地球環境の保全や地域社会との調和も、企業としての責任の一環と考えています。
二重円になっている意味は、従業員や協力業者の家族、客先の従業員等、ステークホルダーのステークホルダーを表しています。
ステークホルダーのステークホルダーにまで、範囲を広げることにより、当社が中心になって社会全体や世界に、裕な幸せを広げていく事を意図しています。
また、中心に配置している会社自身にも、裕で幸せな風土が醸成されていく事を願っています。
2 裕な幸せ
次に「裕な幸せ」ですが、これは創業者の二人の娘の名前の初めの文字からとられています。
この会社の歴史を紐解き、最終的にたどり着いた当社が持つべき評価軸です。
売上や利益、もしくは社会的価値などを追求するのではなく、「裕な幸せ」を追求していくという事です。
創業者夫婦の幼少・青年期は、戦前・戦中に当たり、大変貧しく苦しい時代を過ごされました。
特に創業者の故荒井英男は、幼くして両親を亡くし、兄弟に育てられました。
妻もまた非常に厳しい環境で育ち、長女として幼い頃から家族を支え、家計を助けるために懸命に働いてこられました。
その為、経済的な裕さと幸せを、渇望していたのです。そのような背景が、この社名にはあります。
現在の日本は先進国として、創業者夫妻が幼少期に経験したような極端な貧しさは克服しました。私たちは、経済的な裕さを過度に追い求める必要はありません。
しかし、昨今の物価高騰が生活水準の低下を招くような状況からは、ステークホルダーを守り、安心して暮らせる環境を提供する責任があります。
一方で、これからは「心の裕さ」も大切にしていきたいと考えています。
「心の裕さ」とは、学びや成長を楽しむこと、多様な価値観を受け入れる柔軟さ、そして自分らしさを見つけ、大切な目標に向かって前向きに進む力などを指します。
このような考え方を皆さんと共有しながら、一緒にその在り方を更に深めていければと思っています。
創業者の妻は「和江」という名前であり、その墓石には「和」の文字が刻まれています。この「和」という文字には、融和や和合、そして和やかさといった意味が込められています。また、「裕幸」という社名に使われている文字は、創業者の家族の名前に由来しており、家族や関わるすべてのステークホルダーが互いを尊重し、協力し合いながら調和のある関係を築いていってほしいという願いが込められていると考えています。さらに、創業者夫妻が会社を三人目の子供のように大切に考えていた想いも、社名に反映されていると感じています。
3 持続的向上
「持続的向上」とは、外部環境に左右されない競争力を持ち、どのような変化があっても、当社とステークホルダーが共に成長し続けられる状態を目指すことを意味します。
外部環境とは、広く社外の状況の事を指しています。
日本の経済状況や業界の動向はもちろん、政治体制や戦争・災害、不可逆的な技術革新なども含まれます。
外部環境に依存せず、持続的に成長していく為には、ロジカルシンキング(論理的思考能力)、タフネス(逆境を楽しむ力)、そして開発力・開拓力(新しいものやルールを生み出す力)などが必要です。
更に、社外のステークホルダーとも情報を共有し、外部環境の変化に対応しながら、共に新たな価値を生み出していく共創力も備えた「中長期的な変化に適応できる人材、またその育成」が欠かせないと考えています。
「向上させる角度」として目指すのは、「現状維持」でも「急激な上昇」でも「下降」でもなく、『持続性を持った穏やかな右肩上がり』です。
現状維持と思っていても、それがいつの間にか衰退に繋がることもあります。だからこそ、多くのステークホルダーに支えられているこの会社を、基本的には永続的に成長させていくことを大切にしています。
一番外の枠には「多様な考え」を受け入れ、柔軟に対応していく、という考えが込められています。
「多様な考え」とは、今はまだ存在していなかったり、想像すらできない考え方、また文化の違いによる異なる思想や多様性、などを示しています。
企業を永続させる為には、上記のような外部環境変化への対応や、多様な考え方への理解が不可欠です。
ステークホルダーとは原則協調ですが、時には綺麗ごとでは済まない時もあり、トップダウンによる果断が必要になる事もあるでしょう。
しかし、そのような極端な変化をできるだけ少なくする為にも、常にアンテナを高く張り、外部環境変化や多様な考えを能動的に受け入れ、並走し融合を試みていくことが、企業の永続につながっていく、と考えています。